ADSL が不調なので*1、今更ながら光の導入をちょっとまじめに考えてみた。
いろいろ考えた結果、今回は nifty に決めた。何をどう考えたか、以下にメモを残す。
注意:以下はあくまで現在の僕の状況での考え方。もし参考にする場合はご自分のおかれた状況と見比べて自分の頭で考える必要あり。価格.com のキャンペーンが他より本当に安いのかも要検討。
まずは、現在の僕の状況を確認しておく。金額は概算。
- 住んでるところ:賃貸アパート, 10戸/棟, 築10年くらい?
- 固定電話の加入権:すでにあり
- 今の月額通信費:5500円/月 = 3800円(YBB ADSL 12M) + 1700円(NTT 電話の基本料金)
(加入してから1年以上経過)
これをなんとか今より安く、光にしたい。具体的には「コミコミ*2で 3000円/月 以下」を目指す。
まず、住んでいる場所で光収容の状態を確認する。アパートの管理会社にメールしたり、NTTやeo光のサイトで住所や電話番号を入れて確認する。僕の場合はNTTとeo光の2つが対応していた。その他の対応はなし。
- 光収容状態(NTT):フレッツ 光ネクスト マンションミニ・ハイスピードタイプ
- 光収容状態(eo光):eo光ネット メゾンタイプ
なんとかタイプ*3とか、よくわからん長い名前が並んでて、いろいろ選択肢がありそうだ。しかし、光収容状態(つまりは住んでる場所)によって、すでに月額料金はあらかた決まってしまっている。NTTとeo光のサイトで確認すると、下のような料金が書かれていた。
- NTT:「フレッツ 光ネクスト マンションミニ・ハイスピードタイプ」は 3700円/月
- eo光:「eo光ネット メゾンタイプ」は 4,900円/月
この値段は純粋な回線使用料を示していて、光モデムの月額レンタル料は含まれていない。光モデムの月額レンタル料は NTTは945円、eo光は420円。NTTの場合はさらにプロバイダ料金(1000円ほど)も含まれていない。これを整理すると、
- NTT: 3700 + 945 + 1000 = 5645円/月
- eo光: 4900 + 420 = 5320円/月
となる*4。
300円ほどの差額があるがあえて無視して、僕の通信費は 5700円/月だと考える*5。この料金は固定と思ったほうがいい。つまり安くはできない。毎月口座から差っぴかれる金額だ。どこに申し込もうが変わらない。
とりあえず上記を整理した上で kakaku.comを見てみる。なんか大出血的に非現実的な金額が列挙されているが踊らされてはならない。見るべきところはそこじゃない。
たとえばココとかを例に挙げる。
いろんなプロバイダがあって、すべて自分の選択肢と思ってしまうが、実際には住んでいる場所によっては選べないプロバイダもある。いくら安くても提供エリアに住んでいないとそのプロバイダは選べない。たとえば、僕の場合は NTT と eo光 の2つしか対応していないので、spaaqs は選択できない。これは spaaqs のサイトで電話番号を入れると分かる。めんどくさいが。
選べないプロバイダもあるんだと認識したら、ざっと一覧を見てみる。
まず「実質費用」てのが目を引く。やたらと目立つ赤い数字だ。しかし、この大出血価格はまったく検討材料にならない。なぜか。これは単なるモデル価格だからだ。パリコレでモデルが着てる服は、たぶん近所のおばちゃんのほとんどが着ることができない。それと同じだ。内訳を注意深く見ると分かる。月額費用が4300円なんて書かれていても、今の僕の光収容状態ではそんな安いプランは選べない。僕はどうあがいても5700円/月だ。というわけで無視だ*6。
次に目が行くのが「月額費用」だ。説明を読むとマトモそうなことが書いてあって、これこそ検討材料にすべきと思わせるが、残念ながらこれも見るところではない。結局これもモデル価格だからだ。よって無視。
じゃあどこを見るのか。まずはキャッシュバック。「価格.com経由限定キャンペーン」欄の「現金30,000円バック」とか書かれているところだ。これが大きいのをまず見る*7。たとえば、僕の場合 5700円を2年払うと、13万7千円/2年だ。でもキャッシュバックが3万円だと、10万7円/2年になる。月額では 10万7千円/2年 → 4600円/月となる。キャッシュバックが4万円だと (13.7 - 4) / 24 ≒ 4000円/月。なぜ 2年で考えるかというと、違約金があるから。NTTでもeo光でも2年以内に解約すると違約金が発生し1~2万ほど徴収される。なので2年以上使わないとせっかくのキャッシュバックが意味がなくなる。これはたとえば、プロバイダの継続利用依頼月数がたとえ1年だったとしても同じだ。1年でプロバイダを乗り換えることはできても、そのとき同時に光回線を解約すると違約金が発生する。マメな人はプロバイダの無料期間と継続利用依頼月数を毎月チェックして転々と渡り歩けるだろうが、マメでない僕なら2年間はそのプロバイダと回線に固定されると考える。ここを見て、キャッシュバックがないプロバイダを選択肢から外す。
次にプロバイダの無料期間を見る。これが6ヶ月とかだと、(1000円 * 6) / 2年 = 250円/月で利いてくる。これを小さいと思うかどうか。キャッシュバックが3万円と4万円のときの月額を思い出す。その差額600円/月だ。そう考えると、無料期間も結構な効き方だと思える。でも無料期間が 2ヶ月だとたったの 83円/月にしかならない。ここを見て、無料期間がなかったり 3ヶ月以下だったら、そのプロバイダを選択肢から外す。
「安くできる」かどうかは、上の2つ(キャッシュバックとプロバイダの無料期間)で決まると思っていい。ただしキャッシュバックは、それを受け取れるかどうかがカギとなる。キャッシュバックの受け取り方はプロバイダによって細かく違うが、大体下記のようなものだと考えておくのがいい。キャッシュバックとはなにか。
- 申し込んでも、すぐには受け取れない
たとえば、「開通後12ヶ月後」とか平気で書いてある。 - 自動的に振り込んでくれるわけじゃない
契約した時にプロバイダから与えられるメールアドレスに、キャッシュバック手続きの知らせが送られてきて、それに期限内に答えないと振り込んでもらえない。
どちらも厄介だ。つまり、キャッシュバックを受け取れるかどうかは、1年後の自分に懸かっているというわけだ。そんな先の自分の行動なんて信用できないという人は、「光回線どうですか~」とたまに自宅を訪ねて来る業者さんを素直に受け入れる方がいいと思う*8。大幅に安くはできないが、申し込んだだけで自動的に Wii とか 1万~2万の商品券がもらえるし、その場で契約すれば手続きに時間がかからないから時間的にもお得だ。2万円の商品券がもらえたとすると、( 5700 * 24 ) - 2万 / 24 = 4900円/月くらいになる。でも 3000円/月以下を目指すなら、あえてキャッシュバックのリスクを負うことを覚悟する。
結局どこを見るのか。「プラン名」をクリックした先に表示されるページの「期間限定キャンペーンについて」の「合計69,358円割引」とか書かれているやつだ。この金額は、上でごちゃごちゃ書いていることをすべて含んでいる。この例(nifty)でいくと、僕の場合は
- 2年間をばか正直に払った場合:5700円/月
- プランを適用した場合:((5700 * 24) - 69358) / 24 = 2818円/月
となって、目標の3000円/月をクリアできる。
eo光の場合は 5700円/月ではなくて 5300円/月だけど、計算してみると
- eo光のプランの場合: ((5300 * 24) - 33320) / 24 = 3912円/月
となってクリアできないことが分かる。
こうやって一番安いところを見つければいい。
上記の結果、今回は nifty を選んだ*9。
キャッシュバックは、額が大きいので受け取りをミスるだけで、計画が水の泡になる。
リスクを減らすために、下記のようなことをしておく。
- キャッシュバック手続きの知らせを受け取るために、プロバイダのメールアドレスを普段使いの GMail に転送しておく*10 *11
- Evernote の TODO で 12ヶ月後くらいの日付に、「そろそろ、 キャッシュバック手続きが届くぞ」と入れておく
以上。あんまり他の人の役に立つとは思えないけど、考え方の一例として残しておく。
*1:ADSLモデムの調子が悪いのか、3時間で5回ほどリレーがカチカチ言って接続が切れてしまう。ADSLモデムを3回ほど交換してもらったが現象変わらず。もううんざりだ。
*2:ここでのコミコミは プロバイダ料 + 接続料を指す。光電話、セキュリティ、その他の一切のオプションは含まない。固定電話は休止する。要するにつながってれば、それでいいんだ。
*3:まあ、マンションタイプと呼ばれているやつだが、その中でも戸数が少ないところ向けので、大型マンションのと比較すると700円/月ほど高いやつだ。一戸建てと比較すると300円ほどは安い。
*4:eo光のほうが300円ほど安くなるが、現時点でeo光の回線を使っているサードパーティのプロバイダはないので、プロバイダの無料期間やキャッシュバックの金額はeo光のキャンペーンに固定されてしまう。結果、それほど安くはならない。
*5:現状のADSLより200円ほど高くなるから、ちょっとビビるが今は気にしない
*6:まあこういう広告的な金額は、客の都合なんて考えずに一番安いプラン(タイプ2とか)を表示するのが、商売人的には普通だ。
*7:プロバイダによっては、現金じゃなくて「なんとかポイント」で支払われるとかあるけど、それが自分にとって価値がない場合は、たとえキャッシュバック額が大きくても意味がないので選択肢から外す。
*8:彼らはしばしば胡散臭がられて、冷たくあしらわれることが多いと思うけど、提示する商品券の額によってはもっと好意的に受け入れられるべきだと思う。だって普通にADSLを払っているより安くなる方法をアドバイスしてくれてるんだから。何も分かっていない愚かなヤツに限って、人に冷たい。悲しいけど良くあることだ。
*9:なぜ、nifty より割引額が大きい Toppa! を選ばなかったのか。パソ通時代に nifty serve に入りたくても月額料金が高くて入れなかった、そういうチンケでノスタルジックなバイアスがかかったんだろうな。
*10:https://mail.google.com/support/bin/answer.py?ctx=gmail&hl=ja&answer=21288
*11:ただし、[アカウントとインポート]っていうのは、簡易HTML形式では表示されないので注意。これを表示するには標準HTML形式で表示する必要あり
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